自律神経の症状が生じた場合、すべてが自律神経失調症と病名がつくものではありません。
自律神経症状を来す、他の疾患を常に除外する必要があるのです。
その病気とは、
パーキンソン病
自律神経ニューロパチー
糖尿病
アミロイドニューロパチー
多発性硬化症
多系統萎縮症…
等です。
神経の症状だけあって、神経疾患が主体となっています。
そのため、神経内科を受診することとなるでしょう。
精密に検査を行った上で、異常が指摘出来ない場合は、漢方の処方のために和漢診療科や、精神安定を目的に精神科にいくこともあります。
除外すべき疾患は、それぞれに自律神経症状が出ます。
しかし、その進行の度合いや併発する症状が異なります。
パーキンソン病では、自律神経症状の前に、歩行障害や動作緩慢などの運動器症状がでます。
最近、動作が遅くなった、つまづきやすくなったなど軽微な症状から始まり、ゆっくりと進行していき、自律神経症状をきたすようになります。
便秘や起立性低血圧は所見としては重要ですが、それ自体が生命に危険を及ぼすものではありません。
運動の障害がパーキンソン病の予後を悪くします。
他の症状がなく、自律神経症状のみある場合は、パーキンソン病の可能性は低いですが、自律神経症状を来す疾患としては重要であります。
パーキンソン病は神経内科の範疇ですので、神経内科で精密検査を行うこととなります。
多系統萎縮症も同様に、脳の神経変性がおこるため神経内科の範疇です。
小脳症状や、自律神経症状などに加え、脳や脊髄のMRIから情報を得て診断を行います。
変性が原因の疾患であるため、治療が難しいことが多いですが、進行を送らせるため神経内科で治療がなされます。
多くのニューロパチー(神経の障害)でも、自律神経症状をおこします。
自律神経の線維そのものを直接侵します。
ニューロパチーの種類によって、侵される線維の種類が変わります。
アルコールや糖尿病による高血糖の持続は、ニューロパチーの原因になります。
自律神経のみならず、感覚の線維がやられることで末梢の感覚麻痺が生じ火傷をおったり、転倒しやすくなります。
運動線維がやられれば、筋力低下を来します。
このようなニューロパチーの部位診断も、神経内科で行います。
自律神経症状以外に、他の神経障害が見られれば、内分泌科で血液の評価をする等して精密検査を行うこととなります。
上記のように、自律神経症状をおこす病気は神経内科でみてもらうことをおすすめします。
精密検査において、脳神経の器質的な異常を来していなかった場合は、自律神経失調症としてそのまま内科で治療を受けるか、精神科や心療内科といった心のケアを行うことの出来る科で治療を受けることをおすすめします。
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