それぞれの症状に対する薬の機序を簡単に解説しましょう。

 


1 起立性低血圧に対する薬

アドレナリン作動薬・・・アドレナリンとは交感神経系を刺激する物質です。

中にも多数の種類があり、起立性低血圧には血管壁の筋肉を収縮させる作用の強い薬剤を用います。

血管壁の筋肉が収縮し、血管内の容量が減ることで血圧を上昇させることとなります。

 


2 排尿障害

α遮断薬.コリン作動薬・・・これらはそれぞれ交感神経を遮断、副交感神経を刺激する薬で、排尿困難や残尿感に効果があります。

 


抗コリン薬・・・副交感神経を遮断する薬物で、頻尿に効果があります。

 


3 便秘

塩性下剤・・・頻繁に用いられる薬で、具体的には酸化マグネシウムが一般的です。

腸管内の電解質濃度を上昇させて、水を含んだ便を作ります。

 


大腸刺激・・・漢方薬の類いで、腸粘膜を刺激して排便を促します。

 


代表的な症状に対しては上記のような薬剤をもちいて対症的に治療をします。

 


自律神経失調症と診断されると、精神的な背景も関わることが多いため精神科や心療内科にて抗不安薬等の処方を受けます。

 


具体的には抗不安薬や睡眠薬を処方されます。

どちらも、さまざまな神経に対して抑制的にはたらくGABAと呼ばれる物質を活性化させて神経興奮を抑えるような薬が用いられることが多くあります。

薬物療法として使用される薬は、同じ症状に対しても多くの機序をもった薬があるためその人の症状次第となってしまいます。
医師と十分相談して、体調にあった薬を選んでいくことが望ましいでしょう。