現れやすい症状としては、

1 起立性低血圧

2 食事性低血圧 

3 便秘・下痢 

4 排尿障害 

5 発汗低下 

6 勃起不全 

7 睡眠障害


などが代表的です。 


自律神経は、普段は意識せずとも働いている神経であり、
自律神経に障害が及ぶと当たり前のように行っている日常動作に支障が出てきます。


起立性低血圧・食事性低血圧は、
血圧維持に関わる自律神経の乱れで起こります。

起立性低血圧では、起立によって一度下がった血圧を感知して
血圧を上げようとする反応が鈍くなります。


食事性低血圧では、食事の刺激によって
副交感神経系が優位となったときに、血圧が低下してしまいます。


血圧の維持は、生命の維持に直結する機能です。
血圧の変化を鋭敏に感知し、一定に保つべく自律神経が働いています。


一般に「貧血」といわれている、目の前が暗くなる症状は
実は低血圧症状であることがほとんどです。


若い女性などによくみられる低血圧(特に起立性)は、
自律神経の乱れが関与していることがあります。


便秘・下痢など消化器の異常は、
消化管の運動を司る副交感神経系の調節が乱れることで起こります。


どちらかというと便秘の人が多くなります。
高齢者に便秘が多いのは、この自律神経の活動性の低下が関与しています。


排尿障害とは、尿意を感じても排尿が出来ない状態となります。
膀胱へ伸びる神経によって支配されており、
この神経の損傷は脊髄損傷の患者さんなどでも生じます。


自律神経失調症では、明らかな脊髄疾患がなくとも、症状を認めます。
ただ、血圧の異常や便秘などに比べたら頻度は少ないでしょう。



発汗も自律神経の機能です。
運動時や緊張時に交感神経が活発となると、発汗します。
この機能が低下するため、適切なときに発汗ができなくなります。


上記のような代表的症状以外にも、
勃起障害、月経異常、体重変動、皮膚乾燥など
様々な症状を呈することとなります。


さらに、情緒不安定、不安感やイライラ、抑うつ気分など
精神的な症状が現れることも多いようです。