自律神経とは生命維持に必要な機能を無意識で調節する神経系だと分かりました。


さらに、交感神経と副交感神経の2つの神経系に分類され、
両者のバランスによって調節がなされていることが分かりました。


前述した自律神経の調節がうまくいかないときに、
「自律神経失調症」と診断されます。


調節がうまくいかないとは、刺激のバランスが崩れ、
不適切なときに、反対の神経の興奮が優位となってしまうということです。


例えば、本来ならば交感神経が活発にならなければならない時に、
刺激が足りず、低血圧が起こります。


消化管の刺激で、副交感神経が優位となり規則的に
便意を生じる必要があるにもかかわらず、刺激が足りず、便秘を引き起します。


便秘は繰り返すと習慣となり、なかなか改善することができません。
どの機能障害が起こるかは人それぞれであり、診断基準は一定ではありません。


日本心身医学会では、
「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、
かつ顕著な精神障害のないもの」と暫定的に定義されています。


自律神経が乱れる原因となる疾患がないにも関わらず、
自律神経の異常をきたしているときにこの病名がつくことが多いようです。

しかし、他の病名をつけられない患者へを納得させる病名とも言われ、
原因不明の不定愁訴につけられることも多々あります。


便利な病名として汎用せず、
このような不調を訴える患者のなかから治る病気をあぶり出す能力も必要です。